【農園】【品種】世界を牽引するエル・インヘルト農園とパカマラ

【農園】【品種】世界を牽引するエル・インヘルト農園とパカマラ

◾️スペシャルティコーヒーのトップランナーとして世界を魅了するエル・インヘルト / El Injerto

今でこそスペシャルティコーヒーの農園の中でも一際輝きを放っているエル・インヘルト農園。
エル・インヘルト農園は、グアテマラ北西部ウェウェテナンゴ県の谷沿いに深く入ったラ・リベルタ(La Libertad)村に位置し、敷地面積750ヘクタール(コーヒー栽培エリア250ヘクタール)の広大な敷地の中で営まれています。この地区は標高1500mから1920m、平均気温が16-28℃と冷涼で、年間降水量1,800-2,000mmと適度な湿度があり、ミネラル豊富な火山性の土壌を有します。明確な乾季がチェリーの均一な熟成を促し、結果として良質な酸味、ボディ、味わいをもったコーヒーを生み出します。
エル・インヘルトでは、標高ごとに様々な品種を栽培し、さらに同じ標高においても細かく区画を分けてコーヒーを栽培しています。パカマラは、パンドラ(Pandora)区画、パタゴニア(Patagonia)区画、 ラ・カラカ(La Calaca)区画で栽培されています。
今回Layers coffeeで取り扱うパカマラは、パタゴニア区画に属し、この区画は他の区画に比べ比較的新しく、エル・インヘルトで最も標高の高い1750-1900mに位置するエリアです。
出典:SPECIALTY COFFEE WATARU , Guatemala El Injerto Patagonia PACAMARA Natural
URL:https://www.specialty-coffee.jp/products/detail/603

 

この農園の初代オーナーであるヘスス・アギレ氏は、1874年に農園を開始し、サトウキビやトウモロコシ、豆、タバコを栽培していました。1900年頃からコーヒーの栽培を始め、この地域に自生する果物「インヘルト」から名前をとり、農場を「エル・インヘルト」と名付けました。
現在、農場はアギレ家の3代目と4代目によって管理され、代々高品質のコーヒー生産に特化し、スペシャルティコーヒーのトップランナーとして世界を魅了し続けています。
これを可能にするために、彼らは毎年の売り上げを農園に再投資し、品質向上や環境保全に多額の投資を行ってきました。
その継続的な努力により、コーヒーの世界で最も権威あるコンペティションであるカップ・オブ・エクセレンスを多数受賞しています。
【カップ・オブ・エクセレンスの受賞歴】
第一位:2006年、2008年、2009年、2010年、2012年、2013年、2015年
第二位:2014年、2017年
第三位:2011年
第五位:2003年、2007

 

◾️エル・インヘルトを世界的な有名農園にした品種:パカマラ / Pacamara

アギレ氏は、常にコーヒーを品質で差別化することをビジョンとして掲げ、様々な品種の特性を検証し、可能性を模索しながら優れた品質を日々追い求めています。
現在、エル・インヘルトでは、以下の品種が栽培されています。
※この他にも試験的に栽培されている品種があります。
【エル・インヘルトで栽培されている品種】
 ・パカマラ / Pacamara
 ・レッド・ブルボン / Boyrbon Rojo
 ・レッド・カトゥアイ / Red Catuai
 ・カトゥアイ・アマレロ / Catuai Amarelo
 ・マラゴジッペ / Maragogype
 ・パナマ・ゲイシャ / Geisha Panama
 ・マラウィ・ゲイシャ / Geisha Malawi
 ・SL28
 ・モカ / Mocca
 ・イエローナンセ / Yellow Nance 
  →イエロー・カトゥーラ / Yellow Caturra と イエロー・カトゥアイ / Yellow Catuai の混合ロット
 
パカマラという品種は、エルサルバドルで発見されたパカス種とマラゴジッペ種との交配種で、ゲイシャ主と並ぶ高品質種として認知されています。

パカスは、コーヒーの木が小さめで、暑さに強いため、コーヒーの木を守る日陰を作るためのシェードツリーが必要なく、通常の品種よりも多く植えることができる上に、収穫量も多い品種です。一方、マラゴジッペは、コーヒー豆は高品質だが、収穫量が少なく、コーヒーの木がアラビカ種の中で最も背が高いため、収穫の作業が難しい品種でした。この2つの品種のそれぞれの弱点を補い合うように作られたのがパカマラなのです。

パカマラは国土の小さいエルサルバドルで、土地が狭くてもできるだけ多くのコーヒーを生産しようとして考えられた末に生まれた品種なのです。

エル・インヘルト農園のパカマラは、25年程前にエルサルバドルまで買い付けに行き、植えられました。
しかし、この品種は収穫量が少なく、気象条件や病気の影響を受けやすく、パカマラの持つエキゾチックなフレーバーはバイヤーには好まれず、これを買付け新植する農園は珍しがられたそうです。そのため当時は、アギレ氏はブルボンと抱き合わせで販売したり、低価格で販売していました。
 
出典:SPECIALTY COFFEE WATARU , 
Guatemala El Injerto Patagonia PACAMARA Natural
URL:https://www.specialty-coffee.jp/products/detail/603
転機となったのが、2008年のグアテマラ カップ・オブ・エクセレンス。
93.68点を獲得し第一位で優勝し、グアテマラのオークションの当時史上最高額の1ポンドあたり80.20ドルで落札されました。
出典:ALLIANCE FOR COFFEE EXCELLENCE , Guatemala 2008
URL:https://allianceforcoffeeexcellence.org/guatemala-2008/
【パカマラのCOE受賞歴】
 2008年:第1位 / 93.68点
 2009年:第1位 / 91.98点
 2010年:第1位 / 90.09点
 2012年:第1位 / 92.47点
 2013年:第1位 / 93.14点
 2014年:第2位 / 90.08点
 2015年:第1位 / 90.72点
 2016年:第3位 / 91.06点 
 2018年:第31位 / 86.13点 
 2019年:第3位 / 90.03点 
 
今もなおカップ・オブ・エクセレンスで3年連続で第一位に輝いた農園は、エル・インヘルト農園以外にはありません。
 
このように、エル・インヘルトのパカマラは、世界で最も高く評価されているコーヒーの1つで、エル・インヘルトを世界的な有名農園にした品種なのです。
出典:SPECIALTY COFFEE WATARU , Guatemala El Injerto Patagonia PACAMARA Natural
URL:https://www.specialty-coffee.jp/products/detail/603

 

 

 


Guatemala / El Injerto , Patagonia / Natural /100g

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◾️参考データ

・GUATEMALAN COFFEES , 最終閲覧日:2022.9.2
 URL:https://www.guatemalancoffees.com/
・SPECIALTY COFFEE WATARU , グアテマラ エル・インヘルト パタゴニア パカマラ ナチュラル , 最終閲覧日:2022.9.2
 URL:https://www.specialty-coffee.jp/products/detail/603
・El Injerto Coffee Exparts , The Farm , 最終閲覧日:2022.9.2
 URL:https://fincaelinjerto.com/the-farm/
・El Injerto Coffee Exparts , Awards , 最終閲覧日:2022.9.2
 URL:https://fincaelinjerto.com/awards/
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